たなぼた日記

世間の出来事をつらつらと

「私もEUの仲間にいれて!」トルコのEU愛とダークサイドに落ちるまで

EUヨーロッパ連合)はイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国からなる共同体である。

共通通貨のユーロを有し、国境を超える際ビザもいらない(加盟国に限る)。

 

そんなEUの仲間にいーれて!と言ってきているのが東ヨーロッパに位置するトルコだ。2005年からEU加入へ向けて交渉をしてるが認められていない。

実はEUの前身の時からトルコは加盟を希望しており、なんと加盟希望から50数年が経っているのである。

 

なぜそこまでしてトルコはEUへ加盟したいのか。

そしてなぜEUは加盟を認めないのか。

 

トルコがEUへの加入を目指す目的は大きく3つ。

1つ目は経済面だ。

加入が認められればビザなしで行き来ができるようになる。自由に行き来できれば就労の機会も増えるし、何よりトルコは歴史ある国。観光客が来やすくなればそれだけお金を落としていってくれるということだ。

 

2つ目は今までの歴史にある。

トルコは昔からヨーロッパの一員と考えられることが多く、東欧と言われているようにオスマン帝国時代はヨーロッパの東側を牛耳っていた。

だから自分たちは今でもヨーロッパであると考えているのである。

 

3つ目はイスラム教徒の抑制である。

キリスト教徒よりもイスラム教徒が多いトルコだが、トルコの建国者ムスタファ・ケマルイスラムを切り離そうとしてきた。そうすればほかのヨーロッパ諸国のように繁栄できると考えられてきたのだ。そのため、EUに加盟できればはキリスト教諸国の集まりなので、イスラム主義者・イスラム主義政党を抑えつけることができると考えているのだ。

 

これがトルコがEUへの加入を望む理由である。

 

ではEUはなぜトルコ加入を嫌がるのか。

これも大きく分けて3つある。

1つ目はイスラム教徒が多いこと。

先に述べたようにEUキリスト教諸国の集まりなので、そこにイスラム教徒が多い国が加入すれば必ず軋轢が生まれると考えているからだ。

 

2つ目は人口の多さ。

EU議席はその国の人口で決まるがトルコは7000万人と人口が多いため、もし加盟が認められればEU内で強力な力を持ってしまう恐れがある。

 

3つ目はキプロス問題

2004年にEUに加盟したキプロス。実は長きにわたりトルコ系民族とギリシャ系民族の間で対立があり、当然トルコはトルコ系民族を支持していたため、北と南に分裂する事態となってしまう。

キプロスとしてはトルコに国内をめちゃくちゃにされたのでトルコが嫌いだ。

そこで問題が出てくる。

EUへ加盟するには全ての加盟国から承認を受けなければならないのだ。

当然キプロスはYESと言わないだろう。だからそもそも加盟は無理だろうと考えているのである。

 

ただし当然上記の理由を大っぴらに公言できないため、EUとしては加入にあたり様々な条件を突きつけた。

その中でも大きなものが死刑制度の撤廃である。

トルコは加盟交渉のために死刑制度も撤廃したのだ。

そこまでしてもEU加盟への道は険しかった。

 

エルドアン大統領もEU加盟を掲げつつも独自路線を強めていく。

トルコは加盟へ向けて一心に頑張るがEUは振り向いてくれず

やがて愛は憎悪に変わる。。。

 

ライトセイバーは赤色に変わり、オスマン帝国の復活を目指すトルコの独裁が始まるのであった。